昨今、社内教育をより効率的に進めたいと考えている企業の担当者の方も多いかと思います。
これまでは講義形式の実地研修が中心で、社員や講師を一カ所に集めるためにスケジュールを調整したり、研修の間は業務を停止する必要があるなど、仕事の生産性に影響を与えるケースが多く発生していました。
これらの課題を解決するために、各企業で進んでいるのが動画を活用したeラーニングです。
eラーニングシステムの導入によって、ユーザーはPCやスマホから場所・時間の制約なく簡単に講義を受講でき、自分のペースで学習を進めることが可能です。
今回は社内教育の導入を検討している企業の担当者に向けて、動画を活用したeラーニングシステム選定のポイントについてご紹介します。
動画を活用したeラーニングが増えている理由
動画を活用したeラーニングシステムの導入が増えている背景について、どの様な事が挙げられるでしょうか。
システムを導入する事によって以下のようなメリットが考えられます。
1. オンラインで時間や場所の制約を受けない
講義形式の実地研修の課題として、スケジュール調整の手間や、通常業務への影響、交通費や宿泊費などコスト面の負担などがよく挙げられます。
しかしeラーニングではオンライン受講が基本となりますので、いつでもどこでもコンテンツを視聴できるため、スケジュールに縛られることはありません。
また、一つの決められた場所に集まる必要もないので、交通費や宿泊費などコスト面の負担や移動時間などについても軽減することができます。
2. 動画は圧倒的な情報量を持っている
動画はテキストや画像に比べて圧倒的な情報量や伝達力を持っています。
文章だけのテキストよりも、音声と映像を合わせた動画で見るほうが記憶に残りやすく、覚えるまでの時間も短縮することができます。
またeラーニングであれば、一度視聴したコンテンツを繰り返し視聴することも可能で、短時間で効率的に技術や知識を習得することができます。
3. 視聴履歴などの受講データを蓄積し分析できる
動画を活用したeラーニングシステムは、アカウントごとの視聴履歴や受講履歴を取得することが可能です。
視聴履歴や受講履歴を把握することで、システムの定着率や利用者の理解度・学習の進捗を確認することができます。
また、どのような動画の再生回数が多いかを把握することで、新しいコンテンツ作成に生かすこともできるでしょう。
動画視聴の後にテストやアンケートを実施したり、感想などをレポートとして提出するなど、理解度に関する情報を収集し分析することも可能です。
4. 費用対効果が高い
動画教材を活用する場合、費用対効果の面でも大きなメリットがあります。
動画教材は撮影や編集などの手間や、外注の場合には費用が発生します。
しかし一度コンテンツを作成してしまえば、その教材を何度も使い続けることが可能です。
また実地研修と異なり、講師は1度の収録に参加すれば良いため、多くの受講者に対して同じ内容の講義を繰り返す必要がなくなります。
動画を活用したeラーニングシステム選定のポイント
動画を活用したeラーニングシステムが導入されるメリットについてご紹介しましたが、ただ導入すればよいというものではありません。
eラーニングシステム導入により高い効果を上げている事例もたくさんありますが、一方で社内にシステムが浸透せずプロジェクトが失敗するケースも多く耳にすることがあります。
この違いはなぜ生まれるのでしょうか?
プロジェクトを成功に導くためには、まずシステムの選定が重要です。
ここでは動画を活用したeラーニングシステムの選定ポイントについて上げていきます。
1. 目的
eラーニングシステムは導入の目的を明確化して、自社に適した規模や機能・使い方を見極めることが重要です。
「eラーニングを実施する目的とは」、「そのためにはどんなeラーニングシステムが適切なのか」を明確にして整理することで、自社に必要な機能を逆算することができます。
例えば、社内で資格取得が目的の場合、繰り返し学習することを念頭に置いたシステムが重要になります。
通勤中や移動等の空き時間でもスマホで気軽に視聴できたり、ネットに接続できない場所ではオフラインで学習できたりすることが、継続性を高めるでしょう。
2. 機能
動画を活用したeラーニングシステムの導入において、とりわけ重要と思われる機能について押さえておきましょう。
■動画再生
意外と思われる方もいるかもしれませんが、全てのeラーニングシステムが動画再生に対応しているわけではありません。
動画の中でもオンデマンドだけなのか、LIVEにも対応しているのかなど、自社で行いたい配信方法について確認しておきましょう。
■倍速機能
動画再生に付随する機能で、再生速度を早くしたり遅くしたりすることが可能です。
何度も繰り返し視聴する動画教材を、2回目以降は2倍速で再生するなど学習時間の短縮に有効です。
■アウトプット機能
理解度の定着には、ただひたすら動画コンテンツを視聴してインプットするだけではなく、アプトプットが重要です。
代表的なアウトプットの機能として、テスト機能やレポート提出機能などがあります。
■マルチデバイス対応
最近のeラーニングシステムであれば、ほとんどスマートフォンに対応しています。
通勤時などのすきま時間を使って学習したいというニーズも高く必須の機能と言えます。
サービスによってはブラウザ対応だけでなく、専用のスマートフォンアプリに対応しているものもあります。
例えば、動画のオフライン再生機能を持たせているスマートフォンアプリなどがあります。
■学習履歴の管理
ユーザーの学習進捗や動画の視聴履歴、テストやアンケートの結果をシステム上で集計・管理できる機能も重要です。
これらのデータを可視化し分析することで、ユーザーの学習効率を高めることができます。
例えば、学習者の進捗状況やテスト結果を元に弱点を推測し、それぞれに合ったコンテンツやテストを自動で抽出する仕組みの実装などが考えられます。
3. 価格
動画を活用したeラーニングシステムを最も手軽に導入できる形態はSaaS(Software as a Service)サービスで、ハードウェアの用意が必要なく、インターネット等のネットワーク経由で利用が可能です。
多くの場合、料金体系はユーザー数による課金と動画配信のボリュームに応じた課金の組み合わせとなります。
また、標準実装されている機能だけでなく追加機能の開発など、企業ニーズに応じたカスタマイズができるものは、その内容に応じて追加費用が発生するのが一般的です。
自社のニーズにあった料金体系のサービスを選定しましょう。
自社に最適なeラーニングシステムを選ぼう
eラーニングシステム導入の際には、自社のメリットをきちんと整理し、どのようなシステムが必要かを見極めた上でシステム選定することが重要です。
導入前に無料トライアルができるサービスもありますので、機能や操作性を確認しましょう。