動画データを扱う機会があれば、「フレームレート」という単語が飛び交うこともあるでしょう。
フレームレートは動画の滑らかさを決める基本的な要素となりますので、きちんと押さえて理解しましょう。
フレームレートの基本
普段あまり意識することは少ないかも知れませんが、動画は静止画の集合体であることをご存知でしょうか?
パラパラ漫画をイメージしてみてください。ノートの端に少しずつ動きをずらした絵を描いて、それを連続して高速でめくると、まるで絵が動いているように見えます。
同様に動画というものは、たくさんの静止画を連続して高速表示することで、動いているように見せる仕組みとなっています。
パラパラ漫画も動画も1秒間に何枚の絵や静止画が表示されるかによって、その滑らかさが変わります。
フレームレートとは、動画が1秒間に表示する静止画(フレーム)の枚数のことで、その動画がどれくらい滑らかなのかを表しています。
フレームレートを高くした場合のメリットとデメリット
フレームレートの単位はfps(frames per second)で表します。
たとえば
1秒間に20枚のフレームが使われていれば20fpsとなります。
1秒間に40枚のフレームが使われていれば40fpsとなり、20fpsよりも滑らかな動画になります。
フレームレートの値が大きくなれば動画は滑らかで美しくなりますが、一方で値が小さくなると動きがカクカクとした動画になってしまいます。
また、フレームレートが高くなることに伴うデメリットの理解も大切です。
フレームレートが高いということは、たくさんのフレームを表示するので、その分データ量は大きくなったり、フレームの画質が劣化したりと、次のようなデメリットが生じます。
① フレームの画質を維持したままフレームレートを高くすると、動画ファイルの容量が大きくなる
動画のファイルの容量が大きくなれば、インターネット配信する場合はネットワークに負荷がかかることも懸念されます。
② 動画ファイルの容量を変えずにフレームレートを高くすると、フレームの画質が劣化する
せっかく高いフレームレートで動画が滑らかであっても、画質が劣化してしまうと本末転倒です。
最適なフレームレートの数値とは
用途や撮影対象などに合わせて最適なフレームレートは異なります。
一般的には
映画のフレームレートは24fps、テレビ番組のフレームレートは30fps、最新ゲームなどのフレームレートは60fpsで作られます。
監視カメラなど一時的な動作を把握する目的の動画であれば5fps程度で充分です。
人が見て自然だと思える動きに見える動画は24fps〜30fps程度に設定されることが一般的です。
また、私たちが日常で動画を視聴しているスマートフォンやパソコンのディスプレイが対応しているフレームレートは、60fpsが上限となりますので、60fps以上で動画を作る意味はありません。
動画を用意する際にはこれらの値を参考にしつつ、用途や撮影対象などに合わせて最適なフレームレートを決めましょう。