企業で働く上で社員同士のコミュニケーションは不可欠です。近年では、働き方の多様化、グローバル化、価値観の多様化などの様々な要因からコミュニケーションの方法も多様化してきました。
社内コミュニケーションはインターナルコミュニケーションとも呼ばれ、人事や広報、経営企画の担当者などを中心に関心が高まっています。
インターナルコミュニケーションの典型的な手段として、従来は紙の社内報が中心でしたが、最近はイントラネットや社内チャットツール、更には社内向けの動画を活用している企業も増えてきています。
今回は、このインターナルコミュニケーションの目的や実践例など基本的な内容を整理しつつ、動画を活用したインターナルコミュニケ―ションにスポットを当てていきます。
インターナルコミュニケーションの目的
インターナルコミュニケーションが活性化された状態は、社員同士の関係性を深め、お互いの知見やスキルが積極的に共有され、結果として企業に利益をもたらしてくれると期待されています。
しかし、HR総研が2019年に実施した「社内コミュニケーションに関する調査」によると、社内のコミュニケーションに課題を感じている企業は約7割を占めています。
特に従業員数1,000名以上の大企業は社内のコミュニケーションに課題に対して「大いにそう思う」が約4割を占めており、問題意識を持つ企業が多いことを伺えます。
企業がインターナルコミュニケーションを推進する目的として、主に以下のような内容が挙げられます。
- 企業理念やビジョン、ミッション、バリューの共有
- 最新の経営情報の共有
- 社員同士や部署間の相互理解
- 会社の文化、風土の醸成
- 倫理観やコンプライアンスなどのマインド醸成
- 離職率の低下と社員の定着化
最近では国が推進する「働き方改革」の浸透により、企業の経営環境の変化や社員の働き方が多様化する中、インターナルコミュニケーションに注目が集まっていると言えるでしょう。
代表的なインターナルコミュニケーションの実践例
ここでは多くの企業が実践しているインターナルコミュニケーションの実践例を取り上げていきます。
①社内報
昔ながらの典型的なインターナルコミュニケーションの実践例と言えるでしょう。企業の理念や経営陣が考えていること、社員インタビュー、他部署の活動報告など、従業員が普段なかなか知り得ないことなどをあえて文章で共有して、企業文化の理解を促進させます。
一方で、紙媒体の社内報は編集や印刷にコストと時間を要します。最近では情報伝達の即時性を重視してメールで社内報を配信するケースや、社内SNSやイントラネット、グループウェアなどにその役割が置き換わるケースもあります。
②社内イベント
代表的なものとしてスポーツやゲーム大会、バーベキュー、忘年会、歓迎会などが挙げられます。参加者同士が顔を合わせて、同じ体験を共有することで、普段接する機会のない人同士でも打ち解けることが出来ます。
大規模な社内イベントは従業員が一斉にあつまる機会にもなるため、社員同士のコミュニケーションが活発化するだけでなく、社員の帰属意識が高まるなどのメリットがあります。
また、社内イベントは社員のモチベーションの向上にも直結し、会社の業績アップに効果があると言われます。
③従業員アンケート
従業員の声を広く集めることができるのが従業員アンケートです。社内のどこに従業員が課題を感じているのか、社内コミュニケーション活性化のために自社の取り組むべきポイントを明確化することができます。そのため、有意義な施策を検討するための情報収集として非常に効果的です。
また、最近ではWebアンケートを利用する企業も増えています。自社で手軽に作成・集計できるだけでなく、スムーズに結果を分析して共有することができるのも魅力的です。
動画を活用したインターナルコミュニケーションとは
前述のようなコミュニケーションの方法がこれまでは一般的でした。
しかし、企業が働き方の多様化やグローバル化などを推進する中で、その方法も変わりつつあります。
例えば従業員を全国の複数拠点から一つの場所に集めるのは難しいですし、費用もそれなりに掛かります。
また、多国籍の従業員が働く企業では、一斉にコミュニケーションをとること自体が難しく、工夫が必要です。
そこでオススメしたいのが動画を活用したインターナルコミュニケーションです。
テキストの通達だけでは伝わらないメッセージも動画を活用することで臨場感が増して、社内に効果的に伝えることが出来ます。
企業が動画を活用することのメリットとして、動画の圧倒的な情報量から、わかりやすく、正確に、記憶に残すメッセージを従業員に送ることが可能です。
また、その他にも動画を活用することで
- 時間・場所の制約を受けない
- 繰り返して視聴できる
- 環境に左右されず視聴者となる従業員に同じ内容を伝えることが出来る
- 言語を問わずメッセージを伝えることが出来る
- 動画の視聴状況など従業員の反応を数値で把握することが出来る
などのメリットがあります。
以下では動画を活用したインターナルコミュニケーションの代表的な例をピックアップします。
①トップによるメッセージの配信
企業のトップによる動画メッセージの配信は、経営層と従業員の信頼関係を築くのに有効な手段です。
実際に話す様子から親近感や威厳を感じさる演出が可能です。企業に透明性を与えるとともに、従業員のモチベーションを高めるのにも効果的です。
また、予め収録した動画だけでなく、ライブ配信をすることにより臨場感を醸し出すことも可能です。
②社内イベントの配信
前述の通り、社内イベントは従業員のモチベーションを向上させる取り組みの1つとして効果的なコミュニケーション施策と言えます。
この社内イベントの様子を動画で撮影して配信することで、思い出を共有できるだけでなく、参加していないスタッフの参加を促すきっかけにもなるでしょう。
他に、キックオフイベントなどのオープニングなどでも動画を流し、会場の雰囲気を盛り上げるといった活用方法も有効的です。
③情報の周知
企業の事業方針、社内体制などの変更や主力商品のリニューアル情報、社内ルールの変更など社内全体で共有されるべき変更事項は、従業員全員が共通の認識のもと、理解する必要があります。
これらの情報の周知は動画を活用することで複雑な内容もアニメーションや図表を使ってわかりやすく伝えることが可能です。
動画を活用したインターナルコミュニケーションで気をつけること
動画を活用したインターナルコミュニケーションは様々なメリットをもたらしますが、いくつか運用上の注意点があります。以下について心に留めておきましょう。
適切な長さの動画に収める
いかに良い内容で手の込んだものであったとしても、長尺なコンテンツは視聴者を飽きさせてしまいます。
一般的には動画の長さは3分以内が良いと言われますが、コンテンツの内容や企業の環境によって適切な長さは異なります。
動画を活用する場合は、再生数だけでなく離脱率なども把握できるツールを活用し、自社に合ったコンテンツの長さを模索してみましょう。
社内に積極的に周知する
せっかく作った動画も従業員にその存在が知られず視聴されなくては意味がありません。出来るだけ多くの従業員の目に触れる事を意識し、積極的な周知に努めましょう。
継続的な運用を考える
インターナルコミュニケーションに関わらず、情報を発信する際には運用の継続性が課題となります。
始めた頃は頻繁に配信していた動画も、次第にその頻度が減って忘れ去られてしまうということもあり得ます。事前に年間の配信計画を立てるなど、継続性の考慮が重要です。
まずは自社内のコミュニケーションの課題を洗い出そう
インターナルコミュニケーションの活性化は、企業に様々なメリットをもたらすため、これからはますます重要となっていくでしょう。
しかし、これらの施策は「やること」が目的ではなく、自社の課題や目的に合わせて最適な方法を選択していく必要があります。
まずは、社内コミュニケーションとしての自社の問題点を洗い出し、問題点や課題を解決するためにどういった施策が有効か考えてみましょう。
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