動画のビットレートは、映像と音声それぞれ別々に計算して合算します。
映像と音声のビットレートの合算は、オーバルビットレート(総ビットレート)と呼ばれます。
計算式で表すと
オーバルビットレート = 映像ビットレート + 音声ビットレート
となります。
高ビットレートのメリット
ビットレートが高いほど画質と音質が良くなり、ビットレートが低いほど画質と音質は悪くなります。
ただし、動画のビットレートが高いといった場合に、映像ビットレートは高く画質は良いものの、音声ビットレートは低く音質が悪いケースがあることも頭に留めておきましょう。また、反対に画質が悪く、音質が良いというケースもあり得ます。
高ビットレートの動画は、基本的には画質・音質が良くなるというメリットがありますが、デメリットについても理解する必要があります。
高ビットレートのデメリット
ビットレートが高ければ高いほど、ネット帯域を多く消費し、再生負荷が掛かる
例えば、ビットレートを500Kbpsから1,000Kbpsに上げると、ネット帯域使用量は2倍になり、再生負荷も2倍かそれ以上となります。
高画質を目指してビットレートを高くしがちですが、ビットレートを上げ過ぎると、CPUに負荷が掛かり過ぎて、うまく再生出来ないこともあるので注意が必要です。
特にスマートフォンの電波が悪い時や帯域制限が掛ってしまっている場合に、高いビットレートではスムーズに再生されないことがあります。
ビットレートを高くしても一定以上は画質・音質は上がらない
実は、ビットレートを高くすれば上限なく画質や音質が上がるというものではありません。
例えば、カメラで撮影した元々の動画素材の画質が100であるとした場合に、動画編集ソフトやエンコードソフトによって高いビットレートに変換したとしても、元動画の画質100以上の高画質の動画を作成することは出来ません。
どんなに高ビットレートであっても、元々の動画素材の画質が悪ければ、画質はそれ以上に良くなることはないのです。
動画ごとに最適なビットレートを考えよう
動画を作成する際には、最適なコーデック・解像度・フレームレート・ビットレートを自分でどのようにするか考える必要が出てきます。
その場合には
- ビットレートを高くすれば画質・音質が良くなること
- ビットレートが高いとネットワークや再生端末に負荷がかかること
- ビットレートを高くしても、元の動画素材以上の画質・音質にはならないこと
ということを覚えておくと便利です。
なお、通常は動画を作成・投稿する際に使用するほぼ全ての動画編集ソフト、エンコードソフト、YouTubeなどの無料動画投稿サービスには、コーデック・解像度・フレームレート・ビットレートをあらかじめ調整したプリセット設定が存在します。
ただし、プリセット設定の画質が必ずしも最適になるとは限りませんので、微調整する必要が出てきた際に今回のビットレートの知識を役立てましょう。